シラサギのおじょうさんのおはなし ~つぶやきシリーズ~

皆さん、こんばんは。

今日はとってもいい天気!
お休みの日は、張り切ってお散歩、お散歩!
そして、見つけた何かで「つぶやき」を思いついてしまいました。
ども。お散歩途中で見つけたシラサギのおじょうさんです。

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シラサギのおじょうさんのおはなし

朝、お父さんと少し遠回りのお散歩。
ムサシ君は、いつもと違う道を通るのが楽しみです。

しばらくすると、田んぼがありました。
住宅街の中にぽつんと取り残されたような田んぼです。
そこに、何でしょう?白い鳥が1羽…。
シラサギさんです。
そう、またムサシ君が話しかけましたよ…。

「白い鳥さん、おはよう!」
「おはよう、ワンちゃん。何かご用?」
シラサギさんはどうやら気さくなおじょうさん。
ムサシ君は初めて見るシラサギさんに興味津々です。
「真っ白で、とてもきれいだね。見とれちゃったよ!」
「ありがとう。そう言われると照れちゃうわ。」
ここらではあまり見かけない鳥さんですし、真っ白でまぶしいその姿は、ムサシ君にはとても印象的でした。

「どこからきたの?家族のみんなは?」
すると、シラサギさんは少しさびしそうな表情をして言いました。
「家族とは…、はぐれちゃった…。でも…、大丈夫!きっとすぐに会えるから。」
ムサシ君は、申し訳ない気持ちになったようです。
「ご、ごめんね。変なこと聞いちゃって。」
「だから、大丈夫よ。だって、わたしはこの翼で飛べるんですもの。近くの山の方からきたから、そちらにもどればすぐに会えると思うの。」
「近くのお山?」
「ええ。あ、でも、ワンちゃんから見ると遠く感じるかもしれないわよね。空を飛ぶわたしには近いけどね。」
シラサギさんは、北の方の山を見て言いました。
ムサシ君もそちらを見ると、確かにムサシ君には遠い山です。
その山の近くには、ここよりずっと広い田んぼが広がっていることを、ムサシ君は知っています。
以前、お父さんの車に乗せてもらって、その山の近くを通ったことがあるからです。

「何でこんなところまで?」
「お腹が空いちゃって。どこかに食べるものはないかしらって思って飛んでいたら、こんなところまできちゃったのよ。わたしって、ちょっとおっちょこちょいなのね。」
シラサギさんに笑顔が戻りました。
ムサシ君はホッとしました。
「お山の方なら、みんなとても自然がいっぱいで、お水とかもきれいな所に住んでいるんだね。だから、そんなにきれいな羽をしているんでしょ?」
すると、シラサギさんは笑ってこう言いました。
「ウフフッ、そう思う?残念でした!わたしたちが住んでいるところは、少し汚れているところが多いの。」
「え?そんなにきれいなのに?」
ムサシ君には、さっぱり分かりません。

「わたしたちは、『にんげん』が住んでいる近くにいることが多いわ。といっても、こんなに『たてもの』がいっぱい建っているところじゃないの。田んぼや畑がたくさんあるところ。」
「へえ、そうなんだ。どうしてそんなところに?」
「わたしたちの食べ物が、その近くにはいっぱいあるの。田んぼや畑の中にいる虫とか、こうやって稲刈りしたあとに落ちいてる稲の実だとか、わたしたちには大好物よ。」
「そうかぁ。だから、あっちのお山の方にいるんだね。」
「ええ。」
ムサシ君には、田んぼや畑が多いところでもうらやましいのです。
見回せば建物ばかりの街に住んでいるのですから。
「でもね、だんだん居場所も狭くなってきているの。ここにあるような『たてもの』が、少しずつ少しずつ建ってきて、その分、田んぼや畑が狭くなってしまっているのよ。」
「だからもこんなところまで食べ物を探しにきたんだね。」
「ええ。わたしね、ずいぶん前に、おじいさんやおばあさんから聞いたことがあるのよ。」
「どんなこと?」
「ずっと昔は、わたしたちは『にんげん』と仲良しだったの。寝る時は、山の方の巣の中にいて、昼間は田んぼや畑の虫とかを食べるでしょ?『にんげん』には時々感謝されていたらしいわ。時々おバカな仲間が、野菜の実を食べちゃったり、『にんげん』のおうちの近くに巣を作ったりして、『にんげん』に迷惑かけちゃうこともあったそうだけど。でも、いつも『にんげん』の姿を見て暮らしてきたって。『にんげん』もずっとわたしたちを見て暮らしてきたのね。いつもお互いが近くに寄り添って生きていた時代があったって。」

ムサシ君は、今までのいろいろな出会いの中で聞いてきたお話しを思い出しました。
風さん、公園の大きな木のおじさん、大地さん、青空さん、弟のミカド君から聞いた雨さん、お姉さんのヒナちゃんから聞いたサクラのおばさん、みんなのお話しの中から、この世界はみんながひとつにつながって生きていることを教えてもらってきました。
なのに、「にんげん」は、そのつながりから離れようとしているんじゃないかな?
それでいいのかな?
今、シラサギさんから聞いたお話しでは、昔は「にんげん」と仲良く暮らしていたそうだ。
だったら、昔のように暮らしていけばいいのに。
そうすれば、みんなのつながりの中でいっしょに生きていけるのに…。

「ねえ、鳥さん。もし、この田んぼにも『たてもの』が建っちゃったら、ここへは来なくなっちゃうの?」
「そうね。そうなっちゃうかも…。」
シラサギさんも、少しさびしそうにうなずきました。
「じゃ、ぼく、ぼくね、お父さんに話してみる。何とかならないかって!たとえこの田んぼがなくなっても、またみんなが仲良く暮らせる世界にしてほしいって!」
「その『にんげん』の男?無理よ。今だってわたしたちの声は聞こえていないわ。」
「ううん。きっと分かってくれる。きっと、きっと僕たちの声が聞こえる『にんげん』だっているんだよ。今までいろいろなお話しを僕は聞いてきたんだ。風さんや大地さんや青空さん、もっといろいろなお話しを。そして、この世界を何とかしようってがんばっている『にんげん』もいるんだって、みんな言ってた。お父さんは僕の気持ちを分かってくれる。だから、いつか僕のこの願いも聞こえてくるはずだよ。」
シラサギさんは、ムサシ君が一生懸命に話す姿に、思わず、クスッと笑ってしまいました。
「ごめんね、笑ったりして。そうだったの。いろいろなお話しを聞いているのね。だったら、わたしもワンちゃんの言うことを信じてみようかな?」
「うん!ありがとう!」

フワッと風さんがそよぎました。
「ムサシちゃん。また誰かとお話しをしていたの?」
風さんが声をかけてくれました。
「うん、あのきれいな白い鳥さんと。それでね…!」
「ごめんなさい。ぜ~んぶ盗み聞きしちゃった!」
「あっ!」
ムサシ君は、急に照れくさくなりました。
何だかえらそうなこと言っちゃったのを風さんに聞かれたことが、恥ずかしくて恥ずかしくて…!
「まぁ、恥ずかしがらなくたっていいのよ。とてもりっぱよ!私も応援させてもらうわね。さて、シラサギさん?」
風さんは、シラサギさんの方を向いてこう言いました。
「あなたの家族が待っているわよ。私があなたの翼を乗せて、連れていってあげるわ。」
すると、シラサギさんは翼を広げました。
「ありがとう!風さん!ワンちゃん、また会いましょうね。今日はとても楽しかったわ!この田んぼがあるかぎり、また必ず遊びにくるから!」
「うん、約束だよ!さようなら!」
シラサギさんは、高く舞い上がると、山の方へと向かって飛んでいきました。

“ムサシ?また誰かとお話ししていたね?”
お父さんが声をかけてくれました。
やっぱりだ。
やっぱり、僕らの声が聞こえる「にんげん」はいるんだ。
ムサシ君は、お父さんに引かれながら、何だかうきうきした気分でお散歩の続きを歩き始めました。



それでは、明日が皆さんにとって穏やかな1日でありますように。


おやすみなさい。
















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この記事へのコメント

  • マダムしの

    U。・ェ・。Uノ~コンバンワン♪
    ムサシ君は、色々 お話が出来るんだね!
    うちのシンべエも、お話していますよ!
    近くの川にも、シラサギのお姉さん・おじさん・・いっぱい居ます。
    川を渡る風も、公園の木々も・・みんな話し相手みたいです。
    立ち止まって空を見上げて、ジッとして・・お話してます。
    「だんだん田んぼや、畑が少なくなったわね!」って、お話してるのかな!
    2009年11月07日 21:04
  • マダムしの様>
    コメント、ありがとうございます。
    そうですよね。みんなみんな、ちゃ~んとお話ししているんですよ。そして、飼い主にも話しかけてくれています。
    僕らもいろいろな声に耳を傾けていきたいですよね。
    2009年11月07日 21:29
  • まゆ

    こんばんは(゚▽゚)/

    まゆの実家は兼業農家なので、稲刈りの時に『シラサギさん』によく会います。だんだんシラサギさんの数も減っているのかなぁ。実家は市街化調整区域なので、わりと田畑が多いです。でも、後継者不足はどうにもならずに、廃業していくお家も多いようです。
    2009年11月07日 22:05
  • トヨママです

    <シラサギ>ですかぁ・・・
    聞いたことは有りましたが・見るのは初めてです。
    すぅ~っとしていて、綺麗な鳥なんですね!!
    ツルとも違いますね(当たり前かぁ・・笑)
    ハクチョウは見たことがあるんですけど、<シラサギ>とわッ。。。
    時々・・・・見られるのですか?
    やはり・・食べ物がなくて、山から下りてきているのでしょうか?
    こちらで、熊が山から下りてきているように。。。。。。(怖ッ・・・笑)
    2009年11月07日 22:09
  • まゆ様>
    コメント、ありがとうございます。
    そうでしたね。以前、まゆ様のブログでもご実家の農業について触れていらっしゃいましたよね。
    シラサギも棲みにくくなっているかもしれません。そんなにきれいな水辺にいる訳でもないけれど、住みやすい水辺が減ってきているのかもしれません。
    農家も少なくなっていますね。何だかそれも寂しいこと。農家のある景色、それが日本の原風景であるような気がします。
    2009年11月07日 22:32
  • トヨママ様>
    コメント、ありがとうございます。
    北海道にはシラサギなどはいないのかも?ですね。やはり、北海道だとハクチョウやタンチョウツルがイメージとして強いですね。
    水田に多く見られる生き物ですから、水田がなくなると、エサ場がなくて飛んでくるようです。人の近くで生きていた生き物も生きられない世の中ってのも、考えものですね。
    2009年11月07日 22:39
  • 氷水

    わぁ、シラサキですか~!
    最近はあまり見かけなくなってしまいましたね…これから冬本番前に南に向かって飛んでいくのでしょうか…
    心温まるお話楽しかったです♪
    2009年11月08日 05:12
  • 氷水様>
    コメント、ありがとうございます。
    都会では数はかなり減っているでしょうね。
    富栄養化が進んだ水辺にも対応できる鳥ですが、それすらいなくなる世界にはしたくないですね。
    少しでも心が温かくなれば幸いです。
    2009年11月08日 07:45
  • 大きなお世話

    しらさぎ、こちらではよく見かけます。あのドブ川でも… まだ農村?と自然が僅かに残る地域ではあります。 が、犬犬の散歩のお爺さんが平気でドブ川に犬のフンを捨てたり、立ち●●をしたり… 人間のマナーが、川を汚してます。困ったものです。
    2009年11月08日 10:21
  • 大きなお世話 様>
    コメント、ありがとうございます。
    どぶ川でも、水田などが残るようなところなら、棲息することができる、そういう鳥ですが、その鳥も住めないような環境にすることは避けたいものです。特に、そういった人間のマナーの悪さはどうにかしたいですよね。
    2009年11月08日 14:01
  • 炊飯器

    シラサギ、こちらでもよく見かけます。
    田んぼに純白の鳥が1羽・・・映えますね~。
    ・・・なぜか大抵1羽で行動してますよね(^_^;)
    2009年11月08日 16:21
  • 炊飯器様>
    コメント、ありがとうございます。
    シラサギの田んぼの中にいる姿は凛としてかっこいいですね。
    本来は群生しているらしいのですが…。本当に群れというのは見かけなくなりましたね。どうしたのかな?
    2009年11月08日 16:29
  • ばっかバッハ

    どうもご無沙汰してまして。

    ウチの方は、まだ田舎なのでシラサギが田んぼにたくさん来ていますよ(^^)

    生命の共存は、まさに最近流行りの「エコ」の根本思想ですよね。エコポイントとやらは、眉唾ものですが…
    2009年11月12日 20:11
  • ばっかバッハ様>
    コメント、ありがとうございます。
    いっしょに暮らしてきた仲間たちから、わざわざこちらから離れる必要もない、そう思いました。それがシラサギさんを書いているうちに、気がつきました。
    結末を考えないで書いてますので、ああ、これが今回の結末かぁ、と、書き終わって初めて気がつく、まるで読者の感覚でいけませんね。
    2009年11月12日 22:06

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