ヒナのつぶやき

皆さん、こんばんは。

先日、「ムサシのつぶやき」というタイトルで書いた記事。
あれは、実際にあった出来事をもとに、ムサシ君の当時の気持ちを考えて書きました。
そうしたら、こちらに遊びに来て下さるkoji様から

「続きを読みたい」
とのリクエスト。
さぁ、困った!
なにしろ、ヒナちゃんとミカド君はそんなに事件もなく、すんなり我が家に入ったのですから、出来事から書いたのとは訳が違います。
でも、チャレンジ!
例によって、ぶっつけ本番!
ヒナちゃんの当時の気持ちを考えて書いてみようと思います。
…難しいなぁ!
ども。娘の手を抱えてペロペロ、ヒナちゃんです。

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なんとなく、こうなるって分かっていたの。
お兄さんやお姉さんが、別の「にんげん」が来るたびにいなくなってたんだもん。
おうちの「にんげん」とお母さんと別れる日がくることくらい、想像できた。
残ったのは、わたしと弟2人。
次はわたしの番。

あとどれくらいこのお家にいられるのかなぁ?
あとどれくらいお母さんに甘えられるのかなぁ?

分かってはいたけど、そんなこと考えていた。

あのとき、別の「にんげん」がきた時、その時がきたんだって思った。
だから、わたしはすぐに出てきたの。
だって、わたしの番だから。
まだまだ臆病な弟たちが連れていかれるのはかわいそうだから。
別の「にんげん」は早速わたしを見つけて
“かわいい、かわいいよ!”
と言っている。
いいんだ、これで。
これで連れていかれても、おうちの「にんげん」とお母さんとお別れになっても、弟たちはお家に2人一緒にいられるのなら、これが一番いいんだ。

なのに、一番下の弟がノコノコついてきちゃった!
「だめ、家の中に戻って!」
「何?何のこと?」
別のおうちの「にんげん」はわたしを抱き上げたあとに、一番下の弟は見つかってしまった。
“この子もかわいい!”
弟も抱き上げられてしまった。
ああ、どうしよう?
この子まで一緒に連れていかれたら、一番寂しがり屋で臆病な弟しか残らなくなっちゃう!
…すると、もう1人の弟が出てきたの!
臆病な弟はすぐに逃げ出した。
「じどうしゃ」の下に潜り込んで、つかまるもんか、つかまるもんかって叫んでる。

そのとき、わたしはとても変な気持ちだった。
「つかまっちゃだめ!」
という不安な気持ちと
「もしかしたら、一緒につれてもらえるかも…」
と期待する気持ちが、心の中でゴチャゴチャになっていたの。
あの弟にとって、どっちが幸せだろう?
ううん、わたしにとって、どっちが幸せ?
あぁ、もう何がなんだか分からない!

結局、もう1人の弟もつかまって、箱の中に入れられた私たち。
「お姉ちゃん、僕たちどうなるの?」
「大丈夫よ、3人いっしょだから、きっと帰れるわよ」
「ホント?本当だよね?」
弟たちはわたしにくっついてきて泣いていた。
わたし、ウソをついたの。
ごめんね、ウソをついて。
でも、あの時はそうするしかなかったの。

わたしにくっついていたせいでポカポカと温かくなったのか、弟たちはいつの間にか寝てしまった。
私たちが入った箱をのせて、別のおうちの「にんげん」の「じどうしゃ」が静かに動き出した。
その時、おうちの檻の中に入れられていたお母さんが泣いたの。
「ごめんね、ごめんね。気をつけてね。体をこわさないでね。……さようなら!さようなら!」
お母さんは、ずっとずっと泣いていた。
わたしはその声を聞こえなくなるまで、泣き出したいのを我慢して、耳を澄まして聞いていたの。
さようなら、おかあさん。
さようなら、おうちの「にんげん」たち。
さようなら…!

目が覚めた時、その時は、もう別の「にんげん」のおうちの中だった。
「お姉ちゃん、どうしよう?」
「僕たち、どうなっちゃうの?」
不安そうにわたしに泣きついてくる弟たち。
「……あのね…、これから新しいおうちで暮らすの。」
「うそだ!」
「いやだよ~!」
弟たちを一生懸命になだめていたわたし。
わたしだって泣きたかった。
でも、この中で一番上のわたしが泣いちゃいけないの。
だって、お姉さんだもの!
弟たちのお手本になって、この新しいおうちに慣れるように頑張らなきゃって思ったの。
それと…、本当はホッとしていたの。
だって、寂しがり屋で臆病な弟たちがいっしょだから。
この子たちもいっしょだったことが心強かった!
だから、頑張るって決めたんだ!
画像

次の日の昼過ぎ、あたらしいおうちの裏庭で遊んでいた時、上の弟が、少しのすき間から逃げ出した。
あれだけ言ったのに!
バカ!
心配で心配で、そのおうちの「にんげん」の「お母さん」が
“寒いから、あなたたちはお家の中に入っておいで。”
って言われてお家の中に連れ出されても、わたしたちはすぐに裏庭に出て、上の弟が帰ってくるのを待った。
ぶるる…!
冷たい風が吹いて、わたしはふるえた時、風さんが言ったの。
「どうしたんだい?風邪を引くよ?わたしの仕事は辺りを冷たくすること。こんな所にいちゃだめじゃないの!」
そうだ、風さんに相談してみよう。
「あのね、弟が、弟が…」
わたしは風さんに必死になって説明した。
「なんだい、そんなこと。わたしに任せて!」
そういって風さんは通り過ぎていったの。
大丈夫かしら…?

すると、しばらく経ってから、弟が帰ってきた!
泣きそうな顔をして、申し訳なさそうな顔をして!
風さんがピュ~ッと吹いて、弟の背中を押してくれたんだ!
嬉しくって嬉しくって、でも、
「バカ!なんてことしたのよ!心配したんだから!」
「ごめん、ごめんなさい」
弟が謝った。
なんてこと言っちゃったんだろう!
せっかく帰ってきたのに!
だから、すぐに弟の目と耳をなめてあげて、こう言ったの。
「…怒っちゃってごめんね。おかえり。ありがとう、帰ってきてくれて。」
「うん……、お姉ちゃん。これからここが“おうち”なんだね?」
「そうよ、わたしたちの新しいおうち。そして、あそこで待っているのが、新しい“お母さん”よ。」
「…そうだね、お母さんだね。」
弟は「お母さん」の足下にすり寄っていった。
抱き上げられて、「お母さん」の胸の中。
「お母さん」は泣いていた。
あの「にんげん」も、わたしたちと同じくらい心配してくれていたんだ。
おんなじだ。
お母さんとおんなじだ!
うらやましいなぁ!あんなふうに抱きしめられて。
温かいだろうなあ!
すると、「にんげん」の「お母さん」が、残ったわたしたちも抱き上げて、3人一緒に抱きしめてくれた。
“これからずっと一緒だからね。私たちは家族なんだからね。”
泣きながらそんなこと言ってる。
そうしたら、わたしも涙がこみ上げてきた。
だって、わたし1人がこの弟たちを守らなきゃって思っていたんだもん。
だから、泣くのだってがまんしていたんだもん。
でも、この「にんげん」がわたしたちを守ってくれるんだって分かったんだもん。
1人で頑張らなくてもいいんだ!
このおうちの「にんげん」と一緒に頑張ればいいんだって分かったんだもん!


わたしは声をあげて泣いたの。
みんなでいっしょに泣いたの。
その時、風さんがピュ~ッと吹いて、こうささやいた。
「よかったわね。さぁ、とっととおうちに入りなさいな。風邪を引かせちゃうわよ!」
「風さん、ありがとう!大事なことが、今、分かったの!」
「はいはい、分かったから。これから時々様子を見にくるからね。」
「うん、本当にありがとう!」
風さんはほほえみながら遠くへ消えてった…。

わたしはこのおうちの家族のヒナ。
「にんげん」にかわいがられているけど、ちゃんと弟を、そして家族みんなを守ってる。
ううん、一緒になって守ってる。
一緒になって楽しく暮らしている。
今日もベランダでみんなでひなたぼっこ。
すると、風さんがやってきた。
「どう?ちゃんとやってる?」
「ええ!みんな元気よ。ほら、見て!」
弟たちがひなたぼっこしながら「にんげん」になでられているのを指さした。
「あらら、あのときの泣き虫さんたちが、まあ!」
「風さん、あの時は本当にありがとう!」
「いえいえ、どういたしまして。さて、そろそろ私たちもあの時みたいに冷たくなってくるわよ。風邪を引かないようにね。」
「ウフッ、あの時とおんなじことを言うのね。」
「フフフ、そうね。」
風さんが心地よく、そっとほほをなでてくれた……。

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やったね、1時間!
でも、やっぱり長文です。
こんなに長い時間つきあわせてしまって申し訳ありませんでした。


それでは、明日が皆さんにとって素敵な出会いと歓びに満ちた1日でありますように。


おやすみなさい。












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この記事へのコメント

  • タラオのパパ

    お見事です。
    そこまで犬の視点から考えられるとは。
    んーっ、ひょっとして尻尾とかが生えておられませんかぁ
    2009年10月12日 19:39
  • タラオのパパ様>
    コメント、ありがとうございます。
    今回は難しかったですよ~。
    でも、きっとこうだろうな、と思って書くとこうなりました。
    シッポ?
    そういえば、おしりの上の辺りがムズムズとしてきたような気が…。
    2009年10月12日 19:55
  • トヨママです

    うるるぅぅ・・・・
    ヒナちゃんのお姉さんぶりに?  涙・涙・・・・
    涅さん!!  この流れで~~小説でも書いてみませんかぁ~?  私・・結構マジで言ってます。
    2009年10月12日 22:43
  • タケ

    感動しました。はじめて視点シリーズ?を読んだんですが感動です。こういった記事を目にするとペットに対しての身かたが変わります。



    今度うちのも書いて見ようかと考えましたが
    ・・・なんだろ?あまりいい文章は書けなさそうです(笑)
    2009年10月12日 22:48
  • トヨママ様>
    コメント、ありがとうございます。
    作家ですか?
    いやいや、僕の文章なんて、稚拙ですよ。まだまだ借り物の表現だと思います。
    でも…、売れたら印税?
    (…フフッ?フフフフ…!?)
    いけない、妄想の世界に入ってしまった!
    2009年10月12日 23:00
  • タケ様>
    コメント、ありがとうございます。
    また、感動していただいて、ありがとうございます。でも、まだ下手でベタな表現しかできません。
    ただ、文章はたくさん書いていくうちに、寝られるものですから、ぜひ挑戦してみたらいかがですか?
    2009年10月12日 23:03
  • 841

    絵本にしてみたらどうでしょう?
    絵もお上手なんだし!!
    2009年10月13日 08:41
  • 841様>
    コメント、ありがとうございます。
    絵本ですか?
    いや…、子供向けの絵となると、どう描いていいやら…。僕が描くと、殺伐とした絵になったりして…?
    2009年10月13日 09:31
  • marippechan

    みなさんにも大好評ですね~☆
    本当それぞれワンコにもドラマがあるな~って思いますね(^^)猫の兄弟は何度も飼った事があるんですが大きくなってもなんだか仲がいいんですよね☆
    気付くと一緒に寄り添ってねていたり。。。
    ワンちゃんも兄弟だとずっと仲良しなんですかね?
    (^-^)

    2009年10月13日 11:29
  • marippechan様>
    コメント、ありがとうございます。
    ワンコの姉弟も仲良しこよしです。傷を負えばなめてあげたり、朝の洗顔で顔をなめ合ったり、ケンカもするけれど、でも、じゃれ合いもして。
    そんな中で書いています。
    大好評なんてとんでもない!
    僕よりお上手な方ばかりなのですから。
    2009年10月13日 12:03
  • きらきら

    こんばんは(^-^)
    犬の気持ち~♪
    いいお話です(^-^)☆
    2009年10月13日 18:41
  • きらきら様>
    コメント、ありがとうございます。
    犬の気持ち、勝手に考えているだけですが、伝わったでしょうか?
    お褒めいただき、恐縮です。
    2009年10月13日 20:16

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