蚊取犬の世界

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zoom RSS 七夕さまの夜のおはなし 〜 今日はサクヤちゃんのお誕生日 〜

<<   作成日時 : 2016/07/07 21:15   >>

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今日は7月7日。七夕の日。そして、シェルティーのサクヤちゃんのお誕生日です。
サクヤちゃんが“おとうさん”と呼んでいる飼い主さんから、いつもより少しだけ贅沢なご飯をもらって、そして、いっぱいナデナデしてもらって、サクヤちゃんはうれしそう。
でも、なんだか心から喜んでいるという様子ではありません。
いつものようニコニコで、いつものように甘えん坊で、いつものようにお散歩を楽しんで。
だけど、どこかさびしい目をしています。
ご飯を食べて一息ついて、そしてちょっとのんびりしている時でした。
「ミカドお兄ちゃんのうそつき…」
サクヤちゃんはそんなことをつぶやきました。
ミカドお兄ちゃん。それは、去年の9月に天国に旅立った、サクヤちゃんにとっては先輩のミックスのワンちゃん。
おとうさんととても仲のよかったミカドくんは、初めてこのおうちに来たばかりのサクヤちゃんにも優しくしてくれました。小さくて、ミカドくんのお散歩について行くのが大変だったサクヤちゃんを、何度も立ち止まって待ってくれました。寝る時もいっしょにくっついてみたり、ご飯の時も仲良く並んでおいしそうに食べたり。どんな時でも、いつもいっしょで、どんな時でも仲良しだったミカドくんとサクヤちゃん。
そのミカドくんは、去年のサクヤちゃんのお誕生日にはおうちにはいませんでした。脊髄にできてしまった腫瘍の手術のために、遠くの病院に入院していたんです。そして、退院しておうちに帰ってきたミカドくんは、満足には歩けない状態でした。
「ミカドお兄ちゃん、大丈夫でちゅか?」
「ああ、きっとよくなるよ。そしたら、またいっしょに楽しくお散歩しような。そうだな、来年のサクヤのお誕生日には、必ず元気に楽しくお散歩する。約束するよ。」
「うん!」
そう約束してくれたミカドくん。
だけど、ミカドくんはそのうちに寝たきりになって、退院して1ヶ月半ほど過ぎたころに、天国へと旅立ってしまったんです。
「ミカドお兄ちゃんのうそつき…」
お誕生日だというのに、サクヤちゃんがさびしそうにしていたのは、大好きだったミカドくんがいないこと、そればかりかミカドくんが約束を破って天国に行ってしまったこと、そのせいだったんです。
「去年もいなくて、今年も、これから先もずっといなくて…。もうミカドお兄ちゃんにおめでとうって言ってもらえないなんて…。ミカドお兄ちゃんのバカ!」
せっかくのお誕生日なのに、どことなくシュンとしているサクヤちゃん。そんなサクヤちゃんの様子に気がついたのか、夜、すっかり暗くなった時間になって、お父さんが
「サクヤ。ちょっと遅いけど、夜のお散歩に出ようか。せっかくの七夕だし、お星さまが出ていたら、織り姫様や彦星様にも会えるかもしれないぞ。」
と声をかけてくれました。
「夜のお散歩…。もしかしたら、天国に行ってお星さまになったミカドお兄ちゃんの星も見えるかな?」
サクヤちゃんはそう思って、うれしそうにおとうさんに飛びつきました。
「こらこら。わかったから。さあ、リードをつけて、ちょっとお出かけしよう。」
そうやって、夜のお散歩へと出かけていきました。


だけど、夜空は少し薄雲がかかっていて、お星さまの姿はよく見えません。
ずっと空を見上げながら歩いていたサクヤちゃんでしたが、お星さまを見つけられずに、そのうちにあきらめてうつむいてしまいました。そして、歩くのもやめてしまいました。
そんなサクヤちゃんを、おとうさんはせかしたりしませんでした。自分から歩き出すのを待ってあげよう、そう思っていたからです。
歩くのをやめたサクヤちゃんは、お昼のギラギラのお日さまのぬくもりが少し残ったアスファルトの上に伏せてしまいました。そして、時々思い出したように空を見上げるのですが、やっぱりお星さまは見えません。
「ミカドお兄ちゃんのうそつき…。やっぱりうそつきでちゅ。ワタチのお誕生日なのに、お星さまになっても出てきてくれないなんて、うそつきでちゅ!」
がっかりした様子で、ようやくたったサクヤちゃん。重い足取りで、またお散歩の続きです。なんだかおとうさんも心配そう。
「サクヤ。調子が悪いのかい?元気がないみたいだけど。」
そんなことないでちゅよ、と言ってみたいサクヤちゃんでしたが、にんげんのおとうさんにはどうせワンの言葉はわからないだろうなって思って、言葉を飲み込みました。


その時です。
一羽の鳥が、突然サクヤちゃんたちの前に舞い降りました。
おとうさんもサクヤちゃんもびっくりして、もちろん思わず立ち止まってしまいました。
「あ〜あ、織り姫様も無茶を言うなあ。」
鳥はそんな独り言を言うと、サクヤちゃんの前に近づいてきました。
サクヤちゃんが大きらいなカラスさんよりも一回りは小さな鳥ですが、大好きなスズメさんよりはずっと大きな鳥ですから、サクヤちゃんは思わず後ずさりしてしまいました。
「な、何でちゅか?ワタチに何か用でちゅか?」
ビクビクしながらその鳥に向かって聞いてみたサクヤちゃん。すると、
「おいおい。そんなに驚くなよ。おいら、カササギっていうんだ。」
その鳥はそう答えてくれました。
「カササギ…さん?」
「ああ。本当は今夜は仕事があるんだけどさ。織り姫様が天の上からあんたのことを見て…。それで、あんたへのことづけをもらって、ここに来たってわけさ。」
「…お仕事あるのに、ワタチのために?」
「そうさ。まあ、おいらたちの仲間はたくさんいるからさ。おいら一人がいなくても、織り姫様と彦星様のほうは、なんとかなるだろうし。」
「織り姫様と彦星様って…?」
サクヤちゃんにはちんぷんかんぷんでした。
「とにかくさ、おいら、帰ったらすぐに仲間たちと仕事があるんだ。さっさとことづけをすませて帰りたいんだよ。」
「わ、わかったでちゅ。」
カササギさんは少し怒りん坊さんでしょうか、サクヤちゃんはその勢いにタジタジです。
「いいかい、おいらは他の仲間と違ってちょっとものまねが得意でさ。それで織り姫様に頼まれたってことで。だから、これを聞いたらビックリするかもしれないけれど、そこはガマンして最後まで聞いてくれよ。」
そういうと、カササギさんはひとつ大きく深呼吸してしゃべりだしました。


「こら、サクヤ!」
えっ?どういうことでしょう?それまでのカササギさんの声とはまるで別物。その声は、そう、あのミカドくんと同じものでした。
驚いたサクヤとゃんは言葉が出ずに、ただただお口をあんぐり!
カササギさんはそんなサクヤちゃんにかまわずにしゃべり続けました。
「いつまでメソメソしてるんだ!おとうさんが心配するじゃないか!僕がいなくなって、おとうさんのことは、サクヤ、おまえに任せたはずだぞ?それなのに、そんなんじゃ僕のほうが心配でならないよ。」
「だって、だって、お兄ちゃんだって急に天国に行っちゃって、ワタチだって…!」
サクヤちゃんは思わず声を上げてしまいました。でも、カササギさんはそれにかまわずに続けます。
「わかってるんだ…。ごめんな、サクヤ。去年は入院していておまえのお誕生日を祝えなくって。それに、約束したのにこんなことになっちゃってさ…。約束を破って、本当にごめん。ごめんな。」
「…お兄ちゃん!」
「でもな、僕はずっとおまえやおとうさんのこと、こっちの世界から見守ってるんだ。おうちの中の様子だって、お散歩の時だって、ずっとずっと見守っているよ。僕の心は、ちゃんとおまえやおとうさんのそばにあるんだ。だから、だからさ、もう元気を出して!メソメソしてるなんて、サクヤらしくないぞ?おまえはニコニコ元気でいるのがいちばんかわいいんだからな。そんなサクヤが、僕は大好きだったんだからさ。」
サクヤちゃんの目に涙があふれてきました。
「じゃあ、僕からのことづけはこれだけだ。…あっ、サクヤ。お誕生日、おめでとうな。」
「お兄ちゃん、ありがとう、ありがとうでちゅ!」
カササギさんのものまねはそこで終わりました。


「ふう、やっぱりこいつは疲れるな。で、どうだい?ことづけ、しっかり受け取ってくれたかい?」
「あい!ちゃんと、ちゃんと受け取りまちた!ありがとう、カササギさん!」
すると、カササギさんは少し照れたように言いました。
「いいって、いいって。おいら、織り姫様に言われたことをやっただけなのさ。」
「その織り姫様って?」
「星空にいるお姫様だよ。今夜は織り姫様には年に一度の大切な日。そんな日に下界を見たら、あんたがそんな大切な日が誕生日だっていうのに、ため息ばかりついて、それにまたずいぶんとさびしそうだって。あんたの姿が目にとまって、で、おいらが呼ばれて…」
「本当にありがとうでちゅ!ミカドお兄ちゃんの気持ち、わかったでちゅ!それが聞けてうれしかったでちゅ!本当に…、本当にうれしくって…」
サクヤちゃんの涙がとまりません。
「おい、泣くなよ。おいらたちカササギは、橋渡しっていうのが得意なのさ。今夜だってみんなで羽を広げて、織り姫様と彦星様が出会う橋になるっていう…」
カササギさんがそう言っている時に、空が少し晴れてきました。そして、その少しの晴れ間から、きらきらのたくさんの星が顔をのぞかせました。
「おっ?やっぱりおいらがいないと、ちゃんと橋ができないみたいだな。おいらはここらで帰るとするよ。じゃあな。」
カササギさんはそう言うと、夜空へとまっすぐに飛んでいきました。
サクヤちゃんは、カササギさんの姿を目で追いながら。何度もありがとうを繰り返してたいました。
と、本当にほんの一瞬でした。夜空のずっとずっと高いところに、ちらりと織り姫様と彦星様の姿が見えた気がしました。そして、その周りでミカドくんが、たくさんの仲間たちといっしょにこちらを見ている、そんな姿も見えた気がしました。どの顔もみんなみんな優しくほほえんでいました。
サクヤちゃんは、またよけいにうれしくなってしまいました。
だから、言葉が通じないとわかっていながら、おとうさんに話しかけました。
「ねえねえ、おとうさん!今ね、カササギさんがね…」
そう言っておとうさんま顔を見上げると…。
おとうさんも涙を流しながら、そしてやさしくほほえみながら、夜空の星を見ていました。
「うん、わかってるよ、サクヤ。わかってる…」
それからサクヤちゃんとおとうさんは、少し涼しい夜の風に吹かれながら、しばらくの間、夜空をうれしそうに見上げていました。  





この曲でも聴きながら





遠く離れた寒い都会(まち)で
君は一人の部屋で泣いてる
小さな肩を震わせながら 膝をかかえたままで
うつむいているだけ

君のためにできることも
力になれることも
支えることも
何一つも 今の僕にないけど

何億光年離れた星の光がこの目に届くように
僕の祈りも願いも いつかきっと君の胸に響くだろう
孤独を嘆く君のために
僕は光になりたい

君のそばにいられなくて
それがただもどかしい…
だけど記憶の中に残る君の笑顔浮かべて…

窓の向こうに広がる夜空 幾千億の星の光が
君の足下照らしてくれる 君に優しく囁きかける
うつむかないで空を見上げて
君の光を見つけて

ほら、あの星が僕の光
ほんのわずかな光だけど
君の行く道照らしていたい…

夜明け間近の東の空に 誰も皆目を奪われるけど
西の空にも、ほら、見てごらん、まだ輝き残す星がある
そしてすべての星の光が消えてもまた朝の日は出ずる
そうさ、いつでも君の周りに希望の光が煌めいてる
何億光年離れた星の光がその目に届くように
君の祈りも願いも いつか誰かが受け止めてくれるだろう
輝き誇る君の笑顔を
僕は待ってる
いつでも…










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